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ドアが開き、俺が通れるくらいになった瞬間……
ドスッ
「ぐふぉぉ……」
腹に衝撃が。
何かと思い下を見ると……
「つ、むじ?」
人と思われるものが俺に抱きついていた。
「フフフ……!桜く~ん。久し振り~!」
その人物は一人にしか呼ぶことを許されていない俺の名を呼び、俺の顔を見上げてきた。
「あ……東!?何故お前が……」
「ふっふーん。それにはとある訳があるのだよ。まぁとりあえず中入ろ?」
久々のその人物、東由紀は俺に部屋に入ろうと提案した。
が……
「お前が抱きついてるせいで動けないんだけど。離れてくれないか?」
思いっきり背中に腕を回し、おまけに俺は両手に大荷物。動けるわけがない。
「あ、そっか。ごめんごめん。はいっこれで良いでしょ?」
東が離れたことで、身動きがとれるようになった俺は部屋の中に入り、荷物を下ろした。
「ん~聞きたい事は一杯あるだろうけど、とりあえず久し振り!桜くん!」
東は満面の笑みを浮かべ、俺との再会を喜んだ。東の笑みに釣られて俺まで笑顔になってしまったが、特に気にすることはなかった。
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