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相変わらずのテンション、肩ぐらいの高さの茶髪、そして……この愛おしさ。完璧に東だ。
「ん……。あんまりジーと見ないで欲しいな。桜くんでも……照れちゃう」
いつの間にか東を品定めするような目でジーと見ていたようで、東が恥じらった。
「あ……悪い」
と、俺は東から目をそらす。
今の恥じらい方は……どストライクですよ。はい。
「……お前急に女らしくなったな」
「そんな事ないよ……。急にどうしたの?そんな事聞いて……」
やっぱり東は少し変わった。さっきは女らしくって言ったが、何というか大人っぽく……てな感じの方が合うかもしれない。
「いや、何でもない。気にしないでくれ」
「うん、じゃあ気にしない」
考えたら、俺これからは東と同じ部屋に寝泊まりするんだよな?
俺、ヤバくなっちゃうぜ?
と変な事を考えていたら、東が俺に質問してきた。
「ねぇ、桜くん。桜くんはさ、ここに来たって事は……置いてきたんだよね?」
十中八九西野の事だろう。
「置いてきた、と言うよりは切り離してきた。俺はもうアイツとは何の繋がりもない」
「別れちゃったんだ……」
俺の言葉を聞いた東は、俯き悲しそうな声でそう呟いた。
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