第1話‐契約‐

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母親にはリビングに残ってもらい、私と暁は私の部屋で話している。 「あんたらの父親は俺と同じ死神だよ……【黒き刻印】が何よりもの証拠だ!」 「えっ!?嘘でしょ…お父さんが……そんなのありえないでしょ?!」 「ハハッ…だから人間は面白い。幸福な事は自分だと信じ、不幸な事は自分だと信じない」 私は涙をこぼしながら、暁の胸倉を両手で力いっぱい掴んだ。 「いいか唯!ありえない事なんてありえない!!それが真実であり、現実だ!」 私の体から力が抜け、崩れ落ちて行った。私の涙が落ち、床が濡れて行く。 お父さん……お父さん………お父さん…………お父さん……………お父さんの大ッ嫌い!
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