60人が本棚に入れています
本棚に追加
私は涙を流すだけ流し、泣き止むまでかなりの時間が経過していた。
「何で……お父さんなの……暁嘘付かないでよ。他の人の可能性だってあるでしょ……」
「ないっ!記憶を見たが家族団欒の所が…塗り替えられていたからな!」
「そう…なんだ………」
私はある決意をした。俯いていた顔を上げ、暁の鋭い目を見つめた。
「ねぇ…暁」
「何だよ!?」
「お母さんを助けてお願い!」
「無理だな!【黒き刻印】は意外と厄介だからな…一つ目、本人を殺さない限り決して消えない。二つ目、心が通わなくても強制的に同調(シンクロ)してしまう。契約してない俺には軽く絶滅的だな」
『契約』。その言葉が私に重くのしかかる。契約をするって事は………けどしなくちゃ、お母さんは助けられない。
「絶対無理なの……?」
最初のコメントを投稿しよう!