おむかえようせい

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『悪い、亮…』 スピーカーからは申し訳なさそうな兄の声 電話の内容はこうだった 兄の元に一本の電話が掛かって来た それは兄の息子でもあり、俺の甥が今日は保育園でどうにもグズリが酷く、朝からずっと泣き止まないという このままでは発熱する可能性もあるという事で、出来れば迎えに来て欲しい というものを伝える内容だったらしい 兄も迎えに行ってやりたいのは山々らしいのだが、仕事の締め切りがもう数時間後に控えている上に、家に連れて帰ってやっても甥をあやしてやれる時間もないのだそうだ だが困った 何があっても優先してやりたい甥の事だが、あまりにも今日は間が悪い 実は今日、1限だけあると思っていた講義が休講だった(数日前から掲示板に張り出されていたらしい) 無駄に大学まで行った事に、自業自得だと分かってはいながらも腹が立ち、休講を知っていて自宅で熟睡していたこの友人を 「昼メシおごるから」 という文句で呼び付け、今に至のだ このまま帰すのも悪い かと言って、甥をこのままにもしておけ無い… 少し考えた後、兄に 「了解。今からすぐ行くわ」 と伝え、何処に行くのか?と訝しげな顔をした赤西に告げる
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