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「なんでしょうか、ダンナ様」
儚にとっては『お父様』
七瀬にとっては『ダンナ様』
「来なさい、渡すものがある」
チラリ、と下を向く、いや横にいる儚を見た
「行ってきていいよ、でもすぐ戻ってきてっ内緒話はしちゃダメだよっ」
コクり、と肯定するように頷く
どうやら七瀬の隷属するべき主は儚らしい。
言われた通り足早に『ダンナ様』に歩み寄る
すると卓上に置いてあったアンティーク調の手の平大の箱を渡された
「……」
彼の表情やその箱の大きさ、現在の状況をふまえ中身を特定したのか七瀬は迷惑そうに眉間にシワをよせる
が、断れないと理解しているのか嫌々ながらに受けとった
「儚を頼んだぞ」
「当然」
無表情、だけど自信ありげにそう言うと再び儚の元に戻り…部屋の扉を閉めた。
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