解けた赤い糸

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二人は肩を並べて廊下を歩いていた 二人並んでいても十分な広さがある、手を広げて歩いたってぶつかりはしないだろう 「ねぇねぇ、その箱なに?なーにっ?」 儚は七瀬のもつ箱が気になって仕方ない 歩きながらも七瀬のまわりをうろつき箱を奪おうとする 二人の身長差はおよそ30センチ どうしても箱を渡したくないなら箱を持つ手を挙げればいいけど… 「俺が左手に通すもの」 「……」 七瀬の言葉に儚は思わず笑ってしまう 「ははっ、あー、わかった、そうだね、お父様今日はつけてなかったもんねっ」 その一言で中身を把握したらしく、箱を一瞥したあと大人しく七瀬の横につく 「今後の予定っていうものは…部屋についてから聞かせてくれる?」 どうやらすぐに知りたい様子 「それならっ歩く…そっ、速度?を速めようかなって」
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