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「あぶないし」
言いながら儚の髪留めを取る
つけたまま眠ったのか取れかけていた
青い薔薇を象った髪留め、儚の小さい頃からのお気に入りで、毎日欠かさず前髪の一部をソレでとめている。
フ、と儚の右手が視界にとまる。
誰かと連絡を取っていたのか、開いたままの携帯が握られていた
七瀬は携帯を取り、とじる。
「………儚…」
携帯を胸に当て握りしめると寂しげに呟く、だがやはり表情からはなにもつかめない。
「おい…はかなっ、はかなー」
優しく肩を揺すると、もぞもぞと儚が体をよじる
「んぅ…ぅ…は…ふぁっ」
もぞっと重い体を起こし欠伸をする
ゴシゴシと瞼をこするけど、とろんっとしてまだ睡眠が足りないと訴えかけているようだった
「も……ななくん…った…ら」
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