解けた赤い糸

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七瀬を見た儚の目が見開く 「ははっ、なにそれなな君ださ」 「うるさー」 七瀬は制服を着ていた 散止高校の制服 相変わらず着崩してはいるものの、いつもの執事服と比べたら見栄えは劣るらしい。 「儚も着ることになるけどな、決まりだから制服」 「!やだっ、そんなのやだっ!!」 一気に目が覚める 「…言うと思った、話しは通してある、儚は私服でいい」 髪留めと携帯をベッドに置くと、七瀬はクローゼットに向かう 前はぬいぐるみだらけで開けるときは一苦労。 「よかったぁ、でも制服って…決まりって、よくかえられたねっ」 クローゼットを開けるためぬいぐるみを投げて退かしている七瀬に話し掛ける ぬいぐるみを乱暴に扱う七瀬を怒ろうとはしない 儚にとっても、まわりにあるぬいぐるみはどうでもいいらしい 傍にあるテディベア以外は。
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