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車内では七瀬が朝食の準備をしていた
といっても既に調理済みのものをテーブルに並べてるだけだが
そんな光景を儚は頬を膨らませ不満げに眺める。
「車の中でご飯食べるのぃヤっ」
「早く起きなかった儚が悪い、自業自得」
『じご…?』と、また言葉の意味を理解されていなかったけど説明がめんどくさかったのかスルーした。
さほど気にせず、儚はコテンッと横になり、テディベアをクッションがわりに抱きしめる
「ジジィ寂しそうだったな、朝食一緒に食べたかったんじゃないのか?」
呆れ半分哀れみ半分
「どうなのかな、人の気持ちまで、は…把握?できないよっ、でも見送りのときいっぱいチューして喜んでたからいいと思う」
「……だったな、忘れるところだった」
七瀬は濡れタオルで徐に儚の唇を何度も拭う、まるで穢れを消し去るように
何度か拭ったあとタオルが離れる
「?なにっ、なーにー」
「儚の身体は綺麗にしないといけないから」
『ふーん』と自分の事にもかかわらずそっけなくそう返し、テディベアが濡れていないかを念入りに確認する。
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