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「別に、ただ夢を叶えてもらわないと困るから」
数分後、長時間移動していたリムジンがその動きを止めた
「儚様、七瀬さん、目的地に到着いたしました」
お抱え運転手がドアをあける、まず七瀬が先に降りて自分の半分くらいの大きさがあるテディベアを抱いて降りて来る儚が誤ってこけでもしないようにサポートする。
「お二人とも…っ…いっ、一生に一度の高校生活…っを…まっ、満喫して…くい…ひくっ…悔いのないようっ」
「「……」」
「この下山…っ、うぅっ…お二人の呼び出しならば…っ、火の中水の中っ」
お抱え運転手、下山(38)
この道数十年で二人を幼い頃から知っているため別れが寂しいらしい
もともと涙もろいとこもある、ちょっと可愛いげあるオジ様
「わかったよ下山っ、じゃあ行ってくるっ」
子供らしい屈託のない笑顔を向けられ、ジワッと涙が溢れた下山は深く二人に一礼して運転席に戻って行った。
「視界鈍って事故らなければいいけどな」
遠ざかる車を一応心配そうに見送る七瀬
「ねぇねぇっ、なな君」
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