解けた赤い糸

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今さっき自分の手を掴んだ七瀬の左腕を見て… 「似合ってるよ、手錠」 手錠とは普通二つある輪を片方ずつ手首に通し鍵をかけて相手の両腕の自由を奪う鉄製・革製のもの(まれにマニアックなプレイにも活用されることも有)だが七瀬はその輪を二つとも左腕に通し、まるでアクセサリーのように身につけている そしてこの手錠こそが昨晩渡された箱の中身 「キラキラーって綺麗だよ」 言いながら無意識に右ポケットを触る 「そうか…?服がこれだしみっともないと思うけどな」 「?じゃあ僕みたいな服だと?」 くるりっと一回転する 「そうだな…似合うかもしんないけどNG……あ、ダメだ」 ちなみにしばらく歩いて寮についた時、儚が先程を上回るくらい文句を言ったのは言うまでもない いつも広く清潔な屋敷で何不自由なく我が儘気ままに育ってきた儚。 これからの生活の苦労が目に見えた七瀬は思わずため息をもらした。
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