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ぐずつく儚の小さな背を押して、なんとか管理人室前に辿り着く。
近くにはカウンターがあったけどそこには誰もいなかった。
ただ…カウンターの上は物で溢れていて、きっとよほどずぼらな奴が管理人なんだろうと七瀬は予想する
屋敷はメイド等が日々念入りに掃除してるため、どこも隅々までホコリ一つ、シミ一つ存在しない
ということで、汚れというものに免疫のない儚は七瀬の背後に隠れ眉を寄せる
「ねぇーここいやだよっ、なんでこんなトコきたの?」
「ここの長に会うためかな」
ゴミで隠れているブザーを取り、真ん中のボタンを押す
……が、ここの管理人は全く出てくる気配を見せない
「………」
なぜか朝必死に儚を起こしていた自分の姿が思い浮かんだ
だけど流石に部屋に押しかけるわけにはいかない
ので、ボタンを連打することにした
室内ではしきりにうるさいブザー音が響き渡ってることだろう
ここがファミレスならば、嫌がらせ以外の何でもない
「っだぁぁぁっ、うっせぇぇぇっ!」
ドアの奥から野太い声が聞こえ、わざとらしいほど大きな足音が向かって来る。
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