解けた赤い糸

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乱暴に開かれるドア、怒っているわけではなくもともとこういう開けかたが癖。 出てきたのはクタクタのシャツとジャージを着た…無精髭が目立つ30代の大柄な男 (想像通りだな) そんなことを呑気に考えていると男が七瀬に近づく 手に持っていたブザーで、自分の部屋を不快音で満たした人物を特定したらしい 「おまえなー!それ一回で十分なんだっての」 七瀬からブザーを奪うと、壊れそいな勢いで元あった場所に戻す もしかしたら今の反動で何か落下したかもしれない 「色取」 「……は?」 「色取です」 一瞬何を言い出したのか分からなかったけど、もう一度繰り返されてそれが名前だということに気づく 男は呆れながら… 「今の会話の流れから自己紹介入るなっての、俺は多部、寮の責任者ってやつをつとめてる」
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