プロローグ

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二人の少年がいた 一人は大声で泣いていて、少女と見紛う愛らしい顔を悲しみで歪めている 大きな瞳からはとめどなく大粒の涙がこぼれ落ち頬を伝い濡らす、時折涙を拭っているのか服の袖は湿っていた もう一人は、まだ年齢的に幼さが残るものの泣いている相手を宥める気遣いをしていた はたから見れば愛らしい光景かもしれないが、一人が泣いているということは、今ここに悲しむべき理由がある 「ごめっ…ごめんっ、なさっ…おにぃちゃ…」 「大丈夫、何があった?」 二人の関係は兄弟 泣いているのが弟 宥めているのが兄 兄に優しく慰められながら背中を優しく撫でられてだいぶ落ち着いてきた弟は気まずそうに自分が泣いている理由を話しはじめる。
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