解けた赤い糸

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理事長に丁重に扱え、と言われるほど特別視される生徒。 もし機嫌をそこねて入学取りやめなんてされたらそれこそ自分の職が危うい。 「ははーっ、どんな部屋かなー」 震える手で鍵をあけドアをあける。 入口のつくりは他の部屋とかわりはない……けど、あきらかに部屋の作りが違った 他の部屋にはない…簡易だけどキッチン、個室のトイレに、狭いけど風呂もあった そして、部屋の個数が一つオマケについていた 「広っ」 「「せまっ」」 「……」 七瀬の言葉に嫌みは感じ取れなかったけど儚は本気で嫌がっていた 「ベッドはいんないよっ!?」 「備え付けので我慢しろってこと」 「やだやだっ!せまいしかたいしっ!大体なんでベッドが二つつながってるの!?」 二段ベッドの上か下かで揉める生徒は何度か見たことがあったが、二段ベッドそのものにケチをつける生徒ははじめてだった。
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