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「お風呂もちいさかったもん…あんなのお風呂っていわないもんっ、こ風呂だもん」
「大きい風呂、イコールお風呂ではないからな」
「うぅ…なな君のわからずやぁぁっ」
「……」
言ってることはめちゃくちゃなのに、涙ぐんでいる儚に萌えつつある多部がそこにはいた
「まっ、まぁ、一階にシャワールームと大浴場ならあるけど、シャワーですませるタイプには到底見えないってか、それに大浴場は…お前らにすすめる気はしねぇし」
儚はここにくる目的が一心なことで散止高校が男子校ということを知らない
知ったところで何もかわることはないけど、思春期といえるこの時期自分の欲を手近にいる同性で済ませようと考える生徒は少なくない、そんな輩からすれば容姿の整った儚と七瀬はかっこうの餌食だった
七瀬は言葉の意味を理解してるようで『当然』と小さくぼやいた
儚の方は今だ混乱していて話しは耳に入ってなかったけど、もしあやまって大浴場に出向いても七瀬が止めるだろう…と多部は確信している
「あっ…それと」
多部はポケットの中をさぐり……
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