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廊下にはすでに七瀬の姿はなく…残ったのは虚しさ
返ってきたのは苦情の言葉
「ったく、荷物運びは聞いてねってのー」
このまま放置して自室に戻ってもいいけど、後で何されるかわからないので渋々荷物を運びはじめる
持ってみると、七瀬の言葉通り軽かった
これなら数分で運び終わるだろう
「………おっと、やべ、クマ踏むとこだった」
足元には儚が落として行ったテディベア、ちょうど通り道に落ちていたので移動させようと荷物をいったん床に置き、テディベアに手をのばす
「なんで金持ちはテディベアが好きなんだか…クマ繋がりで俺にも優しくしてくんねぇかな儚ちゃ……―っ!!」
途中までテディベアを抱き上げ―……
思い切り床にたたき付けた。
軽すぎる、綿が抜けたテディベア
大きさの事もあり、やはりそれなりの重みはあるもののあまりに軽く……
多部は思わずテディベアと自分の手を交互に見比べる。
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