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おかしい、とは思っていた。
見るからにボロボロだったテディベア
だけど儚がずっと宝物のように抱いていたから『そういうテディベア』なんだと思い込んであえて話題には出さなかった
けど、このテディベアはあきらか故意に汚されている
たたき付けられてグッタリと床に寝転ぶテディベア
その様は……
「気味わりぃな」
そんなテディベアを抱いていた儚にも同じ感情を少し抱いたかもしれない
テディベアを足で退ける気にもなれなく、結局荷物を入れる時は避けて歩いた
一仕事おえると言われた通り部屋の鍵をしっかりとかける
ちゃんとドアノブをまわして戸締まりの最終確認だって忘れない。
(あーぁ、なんかとんでもねぇ奴入寮させちまったな……何事も起きなきゃいいけど)
「まずはたまったストレスをタバコで発散させるに限るってなー!……そういや儚ちゃんって……」
何か引っ掛かる所があったのか、後ろを振り返り儚の部屋を見た
……けど、今は部屋に戻りタバコを吸うことを最優先にした。
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