透明な直線

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両方だな、と七瀬は思った 。 「頑張れ、もう少しだから」 儚は頷いて、七瀬に手を引かれて走り出す 3階につき、一部屋ずつ空き教室のドアを開けては中を確認する 兄との再会で頭の中はいっぱいなのか、校内や教室に対する文句を儚が発する事はない ドアを開けては落胆しー……それを何度か繰り返した時…… 「だからさぁーそろそろこう…でかい人形買っちまおっかなーって、でもそんなの手にはいんねーし、あったとしても半端ない値段が…」 「マネキン盗んどけマネキン」 ある一室から人の話し声が聞こえてきた 「おに……ちゃん…?」 その教室のドアを七瀬が開けて 先に儚が室内に入る 兄とはどれほど会っていないか…… 顔、声、体格すべてが記憶と違ってることに間違いはない でも血の繋がった兄を………愛しい人を見間違えるほど儚は馬鹿じゃない。
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