透明な直線

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両者美形だったけど、タイプは全く違うようだった 正輔は体格ががっしりとしていて男らしく、人懐っこそうだった 静雅は男らしいけど体がスラッとしていて、七瀬とは違った綺麗さがある……だけどそんなこと儚には関係ない 自分を夢中にさせるのは次彦だけで、二人…他人には惹かれもしない 「二人とも、というより正輔少し落ち着いてくれ、儚が呆気に取られてる……儚、疲れてるみたいだな椅子に座りな」 次彦は手近にあった椅子を引き、儚に座るようにうながした ……けど儚はその椅子を見て戸惑う 見るからにかたそうで安っぽい椅子 確かに全力で走って体は疲れてるけどこの椅子に座る気にはなれなかった 「?はか「だめだって、そんなかてぇとこにオレの人形ちゃんを座らせるわけにはいかねぇっ」 言いながら正輔は自分のカバンからなぜかレースが大量に施されている手触りの良さそうなクッションを取り出し、椅子の上におく それでも気は引けたけどさっきよりはマシだと我慢して、儚はクッションごしに椅子に座った この時『イイッ!イイッ!』と騒ぐ正輔を静雅が叩いたりもしてる。
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