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「そういえば父親はけっこうな稼ぎがあるって話してたな、仕事熱心なのはいいけど…随分寂しい思いしたんじゃないのか?」
静雅の問いに儚は首を横にふって否定する
「さみしくないよっ、メイドさんもひっヒツ…執事さんも屋敷にいつでもいるからっ」
静雅と正輔は思わず無言でみつめあう
自分とは一生縁のなさそうな単語が三つほど含まれていたから
「おい次彦、オレの想像を遥かに上回るほどの金持ちじゃねぇかっ!今度ケーキおごれっ」
「いや……おれにはもう関係ないから」
次彦の表情はどこか浮かなかった
すると静雅は正輔の首根っこを持ち、次彦と儚からはなれると……
「お前今のはちょっと無神経だろっ、次彦はずっと父親と連絡とれてねぇんだぞっ、いつも母親に負担かけさせないように気ぃ使ってるってしってんだろっ」
小声で叱って、軽く頭を叩く
「って、わっ悪ぃ…でもメイドに執事だぜ?そんなに金持ってるなら離婚してからも大金の仕送りしてそうじゃん?」
『大人の事情なんかしるかっ』といいながら再び叩き、反省して縮こまる正輔を置いて静雅は二人の元に戻り机に腰掛ける。
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