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「そうか…なんだか儚には驚かされてばかりだな」
もう一度儚の頭を撫でると儚は嬉しそうに微笑む
弟ながらに可愛いと褒めてる次彦がいた
もしかしたらこの笑顔みたさに儚の頭を撫でてるのかもしれない、とさえ思う
「いつまでいられるんだ?一人で来たんなら送っていく」
できれば時間の許される限り一緒にいたい
ブラコン兄弟だな、と静雅は内心和む
「あのね、下山に送ってもらったんだよっ、ここにはなな君があっ、案内?してくれたのっ」
「ななくん?」
「うんっ……あれ」
キョロッと儚は辺りを見渡す
だけど教室内に七瀬の姿が見つからない
「……なな君?なーな君っ」
大きめの声で何度か名前を呼ぶと……
廊下に突っ立ってドアにもたれていた七瀬が軽くため息をついて教室内に入る
どうやらあまり話しの輪に入りたくなかったようだ
決して賑やかなことが苦手というわけではないけど、許されるなら一生避けて過ごしたいらしい。
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