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三日後、言った通り七瀬は儚がいる寝室に訪れる
そこには切り刻まれた縫いぐるみであふれた床に寝転がって電話をしている儚がいた
「それでねっ、お兄ちゃんがー僕の肩を抱いてくれたのっ」
足をばたつかせながら話す儚は三日前が嘘のように屈託のない笑顔で笑い、コロコロと表情をかえる。
「うんっ、うんっ、それでっ、もーちゃんと聞いてるっ!?」
七瀬は壁にもたれて、そんな儚を見ていた
機嫌を直してることに安心したのか、七瀬は穏やかに目を細めて……わかりづらいけど微笑んでいる
「そんなのこれからなのーっ、じゃっ、またねっ!」
話を終え携帯を閉じる
「んっ……あ!なな君だっ、なーなくぅん」
七瀬に気づいて体を起こす……けど三日間何も食べず泣いてわめいたせいで、体力はなくへたぁーっと再び体を寝かす。
「機嫌よくなってよかった」
足を踏み入れる、良い感触だった。
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