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「七瀬を連れていけ」
「なな君…」
儚はそっと振り返る
視線の先には一人の少年……七瀬がいた。
質のいい執事服をあろうことか着崩して厚みのある扉にグッタリともたれている。
整った顔立ちをしているせいか、そのだらしない姿もなぜか様になっていた
「それと…」
「はい」
「必ず……さいごは私の傍に戻ってこい、儚」
今度は言葉では返事をせず、白髪まじりの『お父様』の髪に口づける
「今後の予定は七瀬に伝えてある、私は…もう休む」
「はいっ、お休みなさいお父様」
儚は『お父様』から離れると、一礼して扉に駆け寄る
そのタイミングを見計らって七瀬がドアを開けた
部屋から出る儚、七瀬もそのあとを追って出ようとしたが
「七瀬」
呼び止められた。
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