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~ ?sid ~
いつも目についていた。いつも見ていた。
ただ遠くから、こんな風に虐めにあって身体中ボロボロにされる様を……。
所詮、赤の他人。
わざわざ出しゃばって自分が被害に合う必要がない。
そんなことをする奴は、偽善者か、馬鹿だけだ。
勿論俺はそのどちらでもない。
『自分を犠牲にしてでも守る』だとか偽善の塊のような台詞を言う奴もいるが、正直ヘドがでる。………ズル賢く、自分が得をするように。生半可に助けて自分が犠牲になるなんてしない。
もう二度とあんなことが起きてはいけないんだ。
「……もう二度と。」
ふと手の中にいる奴の身体の強張りがなくなった。
「…すぅ……くっ…………。」
(寝た……のか?)
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