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「……っつ……うぐっ」 「おら立てよ。」 殴られ過ぎて感覚が麻痺しはじめた身体に新たな鈍痛が走る。 「ちっ。胸糞わりぃ眼ぇしやがって。この屑がっ!!」 「っかは……ぐふっ」 毎日……毎日毎日毎日……。 「……………。」 ふぅ、今日もやっと終わった。 指先ひとつ眉ひとつ動かすことも叶わない、ボロ雑巾のような体。 「……っつう。。」 だが進まなければならない。 ヒビがはいっているだろう肋骨を押さえて起き上がる…………否、起き上がろうとしたんだ。 (……糞が。神経いっちまってんじゃねぇか?) 力を入れようとした足に激痛が走ったので、目をやると、見事にふくらはぎの付近がパックリとやられていた。 (はぁ………もぅ。どうでもいい。) 起こしかけていた上半身を倒し、忌まわしい世界から目を閉ざした……。
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