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何時もは遠くで倒れるまで殴られる様を見ていただけだった。だから、こんなに近くで見るのは初めてだ。立ち止まってマジマジと見つめてみる。かなり高い身長のようだが、176、7くらいか?そこはまぁいい。
なにより……
(コイツ軽すぎ………。)
身長が十分あるはずなのに体重がそれに比例していない。
なにより背中から腰にまわした手に伝わるラインが細い。筋肉はそれなりに付いているようだが、まるで羽?のようなかんじだ。
そして一番、俺を驚かしたのは女以上に白く、滑らかな肌に毎日の暴行のあとが全く残っていないことだ。
破れたシャツやズボンから覗く肌にも、今日受けたであろう暴行のあとしか見当たらない。
(…!?……なぜ?)
疑問が沸くが、見られている本人が苦しげに眉を寄せ汗を額に滲ませているのに気付いた。
「とり……あえず。…………保健室。」
止めていた足を動かし、少し早足で別棟の奥にある余り生徒の立ち寄らない保健室に向かった。
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