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海斗がニューヨークから帰宅したのは、四日後だった。
空港まで子供達を連れて迎えに行くと、スーツが誰よりも似合う長身美形の旦那様が颯爽と歩いてくる。
すれ違う女性だけでなく男性までもが、海斗を振り返っていた。
「おかえりなさい。」
目の前で立ち止まった海斗に微笑みかける。
海斗は張り詰めていた糸が切れたかのように息を吐くと、笑ってくれた。
「…ただいま、遊里。」
「パパおかえりなさい!!」
「寂しかったぜ!!」
「パパさとみ抱っこして~!!」
子供達は一斉に騒ぎ出し、海斗はそれすらも嬉しそうに微笑む。
「よし、帰ったらみんなで遊ぼうな!!」
喜ぶ子供達を車に乗せ家へと迎う途中。
あっという間に寝てしまった子供達を眺めながら海斗が呟いた。
「何故…遊里の顔を見るとあんなにも安心するんだろうな…。」
「え…?」
「どんなに難しい仕事をして帰って来ても、遊里がおかえりなさいと笑ってくれるだけで…疲れも不安も吹き飛んでしまう。」
その言葉は、私への最高の誉め言葉だ。
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