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陽太は髪の毛を指でクシャッとして、俯く。
「次来んの、15分後位。」
「そうなんだ……
陽太くんはバス通なんですか?」
「家が近くもなく遠くもない微妙な場所だから、自転車だったり、電車だったり、バスだったり。」
陽太くんは私の隣に座り直して言った。
こんなまともに言葉を交わしてふと思う。
そういえば陽太くん中学校一緒だったなあ
会話したのなんて何年、何ヶ月ぶりかもわからない。
「てか、ここ電気つかねーの?」
陽太くんは電気を付けようと立ち上がる。
パシッ
「…ん?どうした?」
思わず陽太くんの手を掴んでしまった。
その後に絶大な後悔がぐるぐると頭を廻る。
いや、意図的に掴んだ訳ではけしてないのですが……
「いや、なんでもない……、です」
恥ずかしい……
葉月は少し考えた後にゆっくり手を離して、膝の上に戻す。
陽太は葉月の顔をしばらく見ると、私の隣に座り直した。
「電気は…?」
「やっぱいーや。
もうちょっとだろうしね。」
葉月の頭をポンポンとして言う。
感づかれたでしょうか。
1人になるのが怖い、なんて。
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