1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
世界は終わるらしい。
本当かどうかは分からないが、偉そうな学者がテレビでそう言っていた。
それをボーっとしながら見ていた当時、僕はまだ中学生だった。もう、七年も前の話だ。
今の僕は、未だに美術系の大学で適当に作品を作りながらブラブラしていた。
「おい斎藤、飲みに行こうぜ」
同じ科の葛西が、珍しく声を掛けてきた。
「・・・いや、いいよ。課題あるし。ありがとう」
「そっか、また誘うよ」
そう言うと、葛西は数人の学生と外にでていった。
気付くと、室内には僕一人だった。
「僕もそろそろ帰るか、誰もいないし」
絵筆を片付けて鞄に入れると、僕は扉を開けた。
外では、雪が薄く降り積もっていた。
最初のコメントを投稿しよう!