2/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
世界は終わるらしい。 本当かどうかは分からないが、偉そうな学者がテレビでそう言っていた。 それをボーっとしながら見ていた当時、僕はまだ中学生だった。もう、七年も前の話だ。 今の僕は、未だに美術系の大学で適当に作品を作りながらブラブラしていた。 「おい斎藤、飲みに行こうぜ」 同じ科の葛西が、珍しく声を掛けてきた。 「・・・いや、いいよ。課題あるし。ありがとう」 「そっか、また誘うよ」 そう言うと、葛西は数人の学生と外にでていった。 気付くと、室内には僕一人だった。 「僕もそろそろ帰るか、誰もいないし」 絵筆を片付けて鞄に入れると、僕は扉を開けた。 外では、雪が薄く降り積もっていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!