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ひさ兄は小さく頷いた。
『でも…どうしてアイツは急に帰ったりしたんだ?』
『分かんない、でも帰らなきゃならない…って。掟に反した…って』
掟、あいつのいる世界の掟はどんな物なのか俺は知らない。
尸魂界みたいな掟なのか、違うのか。
『そうだったのか、聞いちゃいけない事聞いたみたいで悪かったな』
『ううん……でもまた逢えるって信じてる』
ひさ兄の空を見る瞳(め)は、力強くて、説得力があった。
―――――
「稜が帰る時にね、“サヨナラ”って言い合ったんだ」
「……」
「稜がサヨナラって言った時…もうずっと会えなくなるって思ったけど、すぐにその答えはかき消されたんだ」
「なんで?」
サヨナラは新しいスタート。
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