ある朝の一日

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わたしは歩いて高校に通っている。 と言っても、歩くのは10分くらい。すごく高校が近いのだ。 わたしが通っている高校は、なかなかのお嬢様学校。周りはみんな生粋のお嬢様。わたしは、その中でただ一人の平民。 まるで温室の薔薇の中に蒲公英がまぎれこんでしまったみたいに、わたしは浮いた存在だった。 お母さんの母校だと言うその学校を、わたしは未だに好きになれないでいた。 動作一つに全神経を集中させなければいけないし、言葉使いやお作法などもある。 そんな窮屈な生活は、まるで自分が鉄籠にでもはいってるような錯覚に陥るのだ。
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