序章

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検問所を抜けしばらくバイクを走らせると、景色が急変した。 目の前には広く長く舗装された滑走路。 そして左側には格納庫。さらにその右側には煙突状の建造物にアンテナのくっついた建物がある。通称、管制塔である。 バイクは格納庫を通り抜け、その管制塔の前でブレーキをかけた。 車輪が完全に止まると、乗り主は鍵を抜きエンジンを止め、そしてヘルメットを脱いだ。 少し長めの黒い髪が風に揺れる。 これといった特徴のない顔だが、目だけは力強い。これが彼の印象である。 体は大人だが、それにしては顔にあどけなさが残っており、青年という言葉がしっくりくる。 青年は管制塔の中へ入ると上階へと目指した。 やがて階段が終わり最上階へと出ると、左側に通路が伸びていた。 そのところどころにはいくつもの部屋がある。 その中の一つ、[Supervision officer]と書かれたプレートを付けているドアの前に青年は立った。
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