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「で、何だ?道にでも迷ったのか?お姉さんが手取り足取り教えてやろう。」
どうやら癖があるのは口だけではないようだった。
「実はこのバイクを停めに来たんですが、場所に余裕はありますか?」
クロノアは自分の愛車を指差し本来の目的を話した。
「ふむ。その車体はTー01だな。今では生産が止まっており、しかも入手することが困難ときた。なかなかいいバイクだ。回転数が上がると自動でカムが切り替わり、さらなる加速が味わえる。さらに…」
目をぎらつかせながら話す彼女は先程の雰囲気から一転、子供の無邪気さをまとった。
「保存状態もよくそれなりに…と、すまんな。どうも機械のことになると熱くなってしまってね。」
はぁ、とクロノアは相槌をうち、特に話しを盛り上げることもなく返答を待つ。
「そこが空いてる。というかそこしか空いていないだろう。君にはそこに空いてるスペースが見えないのか?不思議なこともあるもんだ。」
クラリアは腕を組み何かを考える素振りを見せる。それに対し、クロノアは何かを言いかけたがそれを止め、変わりに訝しい表情を作った。
「冗談だよ。君は案外堅い部類に入るのだな。」
そんなやり取りのあった後、
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