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VIRGO OF KNIGHT
都市がある。
高層ビルが建ち並ぶ都市がある。
人々が活気豊かに日々を営む都市がある。
しかし今やその都市は戦場と化しつつあった。
大通りの脇、高層ビル郡のひとつが根本から煙を上げて崩れた。
粉塵舞う中より出て来るは異形。
あるいは蜘蛛と蟹を合わせた様なモノ
あるいはドラゴンを彷彿させるモノ
異形の群れが都市に溢れ返った。
その惨状を高層ビルの"頂点"にて睨む人影が一つ
「こちらコード・ライトニング…出現を確認。B区の避難はまだか?」
『こちらコードスピカ。今終わった。フレイムはC区、スプラッシュはD区を担当。ポジションに付いている。』
人影の耳元に装着されたインカムから音声が流れる。
「こちらコード・ライトニング。了解した。同調タイミングは任せる。」
『コード・スピカ了解。もう少し力を抜け、上官からの忠告だ。』
「……性分なもので。ご勘弁を、」
人影が纏っていたマントを投げ捨てる。
マントは風になびいて都市へと消えた。
人影は姿を晒す。
高らかに
気高く。
人影は少女であった。
髪はまばゆい金色、
瞳は鮮やかなブルー。
マントの下に着ていたのは何とも形容しがたい衣服だった。
その衣服を端的に表すなら、左胸に宝石の細工をあしらったダイビングスーツと言った所だろう。
肩と腰、肘と膝にはプロテクターが着いており、手には同じ色合いのグローブが装着されていた。
インカムから音声が流れる。
『こちらコード・スピカ。同調タイミングカウントダウンを開始する。』
少女は眼下で破壊され、蹂躙される都市と、異形の群れを眺めた。
『5…4…3…2…』
少女の気持ちは一つ
『…1…』
ただ正義の破壊を奴らに!!
『MISSION・START!!』
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