VIRGO OF KNIGHT

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少女がビルの頂点から飛び立つ。 すぐに重力が少女を引き寄せる。 頭から落下する彼女はただただ怨敵を睨む 「アーマー・スタンディング」 静かに唱える。 敵が、 地面が、 迫り来る。 「コード、"怒りの稲妻"。」 少女が 地面が、 爆ぜた。 ドガアアァァ!! 爆音が大通り中心で起き、異形の先頭を数十体吹き飛ばした。 キィキィ… キィ…キィ… 異形がざわめく。 クレーターの中心に、"彼女"はいた。 服装は大きな変化を見せていた。 全身を覆う金色の甲冑。 随所に散りばめられた装飾がまばゆい光を放っている。 "少女"は、"戦士"となった。 戦士の右腕に光が集う。 集った光は形を変える。 光が雷光を放つ剣と姿を変える。 戦士はその剣を取る 異形が数体飛び掛かった。 「忌ま忌ましい。」 吐き捨てると同時に剣を振るう。 瞬間、稲妻が生まれた。 バリバリッと走った稲妻は飛び掛かった異形を飲み込み、異形の群れになだれ込んだ。 「うぬら、ケダモノなれば相手を知れ。」 今だ稲妻を帯びた剣を異形へと向ける。 「引かぬなら来い。何千何万と来ようと、貴様等は通さん!」 キィ…… 異形が怯む。 それ程までに、彼女の気迫は凄まじいものだった。 『ちょっとレイ!格好つけすぎやで!うちにも台詞残しといてや!』 インカムから先程とは違う、元気な音声が聞こえる。 すると彼女、レイと呼ばれた少女はため息をついて 「戦闘中だぞ茜。今はオペラではないのだぞ?」 『オペラて何さ!?うちは演劇の方がまだええわ!』 レイは肩を竦めた。 『茜さん。今は言い争ってる時じゃ無いですよ?』 インカムからまた別の音声が聞こえた。
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