彼等と世界の関わり

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「相手は校内という人の目のつきやすい所で殺人をやってのけた。これは犯人がとても頭の切れるやつだということであると共に切れてるやつだってことでもある」 普通なら、下校時を狙う。校内でやれば、犯人は学校関係者ですと言ってるようなものだ。 これは小説なんかじゃないんだ・・・・・。 「―――だから、犯人は追い詰められると、追い詰められてると知ったら何をするか分からない。相手はもう、一人殺している。あと二人くらい、何とも思わないかもしれない。捜査はかなり危険だ」 一度言葉を切って二人の表情を見る。 ちょっと青ざめてるかな?ふっ、と息をはくと同時に微笑む。 「だから、さ―――」 できるだけ優しく、優しくなるように心掛けて言う。「いつでも、戻っておいでよ。危なくなったり、これ以上は駄目だって思ったら、誰に恥じることなく、遠慮することなく、僕のいるところまで。君達は少しでも大切な人のために動くんだから、何もしない僕とは違うんだから、誰も文句も非難もしないさ。それは全部僕が受ける。だから、お願いだよ危ないことはしないで。僕を―――」 「―――1人にしないで―――。」
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