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「ごめん・・・・・なさい・・・・・私、柩以外の人と話したの久しぶりだから・・・・・嬉しくて」
あー・・・・・
そういえば彼女、学校じゃあんまり話してるとこ見たことないな。
柩
詞卦羽柩、ね・・・・・
あいつ以外とはあんまり話さないって・・・・・
あいつは誰とでも仲良さそうだけどな・・・・・
「私、ウザかったですよね・・・・・」
「・・・・・は?」
「ごめんなさい、もう・・・・・会ってくれなくてもいいですから・・・・・」おいおい!
なんでそうなる!?
「ちょ、まっ・・・・・ってぇ!?」
僕は席を立ってどこかへ行こうとする彼女を食い止めようと勢いよく椅子から立とうとして・・・・・
―――脛をぶつけた。
かなり痛い。
僕はうずくまってじんじんと痛む脛をおさえる。
「だっ大丈夫ですか!?」あまりの痛さに震える僕に彼女が心配そうな声をかける。
「ダイジョウブ・・・・・」
痩せ我慢だった。
僕は歪な笑みを顔に張り付けて言う。
「それより、さっきの話聞かせてよ。結構面白いからさ」
立ち上がってまた元の席に座る僕を彼女はきょとんとした顔で見つめる。
「面白い・・・・・ですか?さっきの話が?」
「?うん」
すると彼女はぱっと嬉しそうに笑った。
「初めてそんなこと言われました。」
・・・・・うわ。
かなりかわいい・・・・・反則だろ、これ・・・・・・・・・・こんな顔されたら嫌でも話聞かないといけなくなるじゃん・・・・・そのまま僕らは彼女が満足するまで話し続けた。
デートから2日後
土曜日にデートしたから今日は月曜日だ。
僕はいつものように登校した。
あの後家に帰って彼女からメールが届いた。
今日は楽しかったというお礼のメールだった。
思わず笑ってしまった。
彼氏彼女の間柄なのにデートしてくれてありがとうはないと思う。
律儀だなぁ・・・・・
それがあまりにも面白かったからついいろいろ言ってからかってしまった。
必死に言い返そうとする内容のメールがかわいくて・・・・・
・・・・・小学生みたいだな・・・・・
・・・・・うわ
自覚すると結構ハズイ。
う~ん
会ったらちゃんと謝っとこう。
僕は心の中でうんうんと頷きながら近付いてきた校門を見た。
・・・・・ん?
なんだ?
救急車と、パトカーまである。
その周りには生徒が集まって黒山の人だかりをつくっていて、それを先生が注意している。
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