ストーリー・イン・ザ・ストーリー

世界と彼等の繋がり

二人目の犠牲者が出たというのは進と柩も知っていたらしく、現在の調査状況という題名のメールが届いた。
『二人目の犠牲者が出たおかげで、副会長には悪いけど犯人が数名に絞られた。正直、桂太の知り合いだけじゃきつかったところだ。あいつ、全校生徒の三分の一くらいの人と知り合いだったからな。だけど副会長も殺されたなら話は別だ。二人の共通の知り合いだけを調べればいいんだからな。副会長も正面からだ、条件は一緒のはずだ。
↓これ、容疑者リスト』
メールの後半部分には数人の名前とクラスが書いてあった。
僕が知っている名前は二つしかない。
その内一つは浅川高海先輩だった。可能性のある人は全員容疑者ということだろう。
だけど、犯人が深海先輩の知り合いだったというのは違うと思うね。
桂太の場合は、桂太が運動部のエース候補で、運動神経と反射神経がよかったというのが根拠だった。
それに比べて深海先輩は文芸部。どちらもたいしたことはなかったはずだ。
それに現場は資材や使われなくなった用具の置いてある体育館裏。
物陰に隠れていて先輩が来るのを待ち、近付いて来たときに飛び出せば、女の子でも楽に殺せるだろう。