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「・・・・・何やってんだお前ら?」
「あ、先生。おはよーございまーす」
かけられた冷静な声に詞卦羽、もとい柩が答える。
僕は神の救いとばかりに声を張り上げる。
「先生!?先生助けて!もうすぐ骨折れそう!!」
「だーいじょーぶですよー先生。私もこいつも楽しんでますから♪」
「てめえ!詞卦羽!ふざけたことぬかすな!楽しんでるのはお前だけだ!!」
「あ!まだそんなこと言うんだ!?いい加減僕が悪かったです柩様って言っちやいなさいよ!!」
ぎちぎちぎちぎちぎちぎち「ぎゃー!?なんか主旨変わってるしー!?」
「―――詞卦羽」
先生、伊崎雅隆は僕の必死な訴えを無視して詞卦羽を冷静な、冷静であろうとした声で呼んだ。
「それから、進。二人ともちょっと俺に着いてこい」へらへらと笑いながら僕を見ていた進は、急な名指しにキョトンとした。
「オレッスか?」
「そうだ」
先生はゆっくりとうなづいた。
「それと、詞卦羽?」
同じくキョトンとしている詞卦羽を指差す。
「・・・・・そうだ。二人に話さなければならないことがある」
「・・・・・ここじゃ駄目なんですか?」
進がちらりと僕を見て言う。
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