■∥謳歌∥■

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「あ゛ーーぁあああ!!!」 「!!!???」 突然大声を上げたアタシに、七瀬先輩はビクリと体を硬直させて、物凄く怪訝そうな顔をしてこちらを見る。 いや、だって…。 そうじゃん、アタシ、サボってんのよ今日!!! 「あ、天音 サキさんのブログ……アタシ今日の日付で載っちゃうんですよね…。写メ……。」 「……あ…。」 そういやそうだったな。 …なんて軽い感じで思い出した先輩。 いやいやいやいや!!! だってだって、人気モデル!!! 「大丈夫だろ別に。あいつそうゆう事の空気は読める奴だから、学校サボってたの分かってるだろうから、上手くしてくれんだろ。」 「本当…ですか…?」 「あぁ。…それより、お前は自分の身の心配しとけよ。」 「…?」 「…海道 沙織…。アイツ、結構しつこいから…。」 「………。」 すっかり忘れてた。 そうだ、アタシは七瀬 拓海の彼女になった。 遅かれ早かれ周りも気づくだろう。 当然彼女の耳にも入るはず………。 彼女は…海道 沙織先輩は、どんな手段でアタシを陥れようとしてくるのだろう……。 「大丈夫。」 「…!」 考え込んでいたアタシはきっと不安げな顔をしていたんだろう。 七瀬先輩はアタシの肩を優しく抱いて、脳髄が痺れる様な甘い声で、耳元で囁いた。 「お前は、俺が守るから…。」 力強い決意を感じさせる彼の言葉に、不安は徐々に薄れてゆく。 だけど、完全には消えない。 アタシは、自分の心配をしているんじゃないの…。 アタシの為に先輩が傷つく姿を見たくない。 きっと、彼ならしかねない。 過去の自分の無力さに悔いているから…。 だから、 先輩は、アタシが守ります。 言葉には出さず、両手に持つプレゼントのベアを強く抱きしめた。 七瀬先輩、麻耶、佐田先生…。 あなた達は、アタシが守る。 アタシの“これから”を謳歌する為に………。
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