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青年を追う者はいない。なのに、逃げるよう走った。
恐れた。
罪を犯した恐怖が、心へ蜘蛛の糸のように絡み付き、居た堪れず、それらから逃げ出したかったのだ。
だが、罪はついてくる。
何をするでもなく彼を見守る、いつまでも、死のときまで。
彼は若く理解できていない。
正体の掴めない何か――罪――からの逃避は理解のときまで続く。
彼は理解とは程遠いところを走っている。
気が付くまでにどれほど傷つくだろうか。
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