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しかし、もっと本音を言わしてもらえば小動物の見るような世界に、それほどの興味は、なかったのである。それにその時は人間の眼球など手に入ると思っていなかった
こんな事情で私は、魔導器に、あんまり興味を持たなくなって行った。
その時は何れ私は、この魔導器の事を忘れて行くだろうと思った
しかし、これは狂気の第一段階だった。
第2段階は、私が魔導器を、別の場所に移転しようとした時期に起こった。
その日、私は、ある若い女と、掴み合いをした。
女の顔には、私に殴られた大きな痣があり、前歯が折れ血が滲んでいた。
私の方は、顔や身体に女の鋭い爪痕を残されていた。
これだけ見ると、よくありがちな男女の痴話喧嘩だと思われがちだが、それどころでは、なかった。
私の両手は、女の首に、確り伸びており、その細首をフンシンの力で締め上げようとしていた。
女の両手は私の両手に爪を食い込ませんがごとき勢いで首にかかった私の両手を取り払おうとしていた。
きっかけは、些細な口論だった。
女は2流の雑誌モデル、私とは男女の関係だった。
私の方はと言えば、とりあえず近い時期に同居して、ゆくゆくは、その先も考えていた。
しかし女は、違っていた。
女は私を金づるとしか考えていなかった。
その証拠に私の預金が、ごっそり、ある売れっ子ホストにみつがれていた。
今回、私がその事について追求すると女は、はむかつて来た。
そして切れた私が殴ると殴り返して来た。
その後は、もう無茶苦茶だった。
掴み合い殴り合い壁に頭をぶつけあったりもした。
その最中女は、私がもっとも気にしてる性的欠陥を言った。
その瞬間私の何かが切れた。
女と私は最後のせめぎ合いに入っていた。
両者とも顔を痙攣させ口を歪めていた。
二人とも過呼吸状態のため脳が、酸素毒で少しやられていた。
それが、まともな判断を狂わせた。
このままでは、殺してしまう、そう思いながらも私は自分を抑止する事が出来なかった。
女の方も白眼に半分なりかけながらも、闘争意識を失う事は、なかった。
女は私のお腹に蹴りを入れたまま、それに力を入れて行った。
私は腹膜を強く押され胃と腸がねじれるような痛さを感じていた。
そして、私が女に力をくわえれば、くわえる程、カウンターとなり私を苦しめた。
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