足りない“心”

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こうして濃密だった、我がソフトボール部の合宿は終わりを迎えた。 …帰りのバスの中 私はこっそりとバックの中で携帯を開き、メールをチェックする。合宿中は邪念を払うために携帯は電源をOFFにしていた。 「貴史からのメールは無し、かぁ…」 私は液晶を見つめながら小さくため息をつく。せっかく合宿が終わったのに気が晴れない。 「あらら、あんまり落ち込まないで花。彼氏さんきっと絵で忙しかったのよ。」 渚が隣で悲しそうな表情をする。そんなの言われなくても解ってるよ。 けど、やっぱり一通も無しは少し寂しいな… 「うん…。こっちから送ってみるね」 おもむろに私はメールを打ち出す。
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