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帰り際、駅の入り口まで来た時
花は握っていた俺の左手を少しだけ、強く握りしめながら、小さく悲しげに零す
「これで…しばらく、貴史に会えないんだよね…」
そう。夏休み、2人の予定が空いているのは最初の週ぐらいしかった。後は花のソフトの合宿や、俺のコンクールの準備で時間が取れない…
俺は花の目を真っ直ぐ見つめて、応える
「会えないのなんて、たった数週間だろ?また二学期になったら会えるよ」
花の手をさらにギュッと握り締め、続けて言う
「…大丈夫。心配すんな。俺が好きなのは、花だけだから…」
花もニッコリと微笑みながら、そっと耳元に囁いた
「私も、貴史が大好きだよ…」
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