足りない“心”

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私は今、ソフトボール部の合宿に来ている。夏の大会こそ一回戦敗退という結果に終わったけど、みんな秋の大会に向けて猛特訓中。ちなみに私のポジションははサード。 今は紅白戦の真っ最中… カキィンッ!! 大きい打撃音が鳴る。弾道は高めだが、力が無く伸びが無い。外野手が余裕をかまして捕球体制に入る。 七回二死だから、私は懸命に走るしかない。その時… ビュウ…ッ 突然風が吹き、外野手の頭上を白球が超えた。 「走れぇ花ーっ!!」 ベンチは一斉に声をあげる。 スコアは同点。ホームに帰塁したら私のチームが勝ち。 無我夢中で走り、三塁を駆け抜ける。外野手が全力でバックホーム。 ベースはもう目の前…私はスライディングをした。 「花―っ!!!!!」 ザザーンッ…
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