787人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
「……で、田宮君、次の授業は何だったっけ?」
決意を新たに後ろの席のやつに声をかけた。が、返って来た言葉にまたもや決意を覆された。
「千裕っ! お前、すごいな!
あの、かぐや姫にあんな事言われて!
羨ましいな、おい」
…………。
田宮君、君の脳みそはハナマルキか? マルコメか?
どっからどうみても、さっきのやつは変人だろう。じゃなかったら、羨ましいと言ってのける君が変人だ。
「かぐや姫、性格を差し引いてもあの可愛さだろう?」と田宮君。
いや、1番重要なそこを差し引くな。
「だから、かぐや姫に求愛する輩が後を絶たなかったんだ」
……何故あれに求愛する気になるんだ? 2年も半ばになってなんだが、この高校は、変人揃いなのか?
「だけど、次々と告白してくる輩に、無理難題をふっかけて次々と撃沈させた。そこからついた彼女のあだ名が――」
いいや、田宮君、溜めんでよろしい。その先は、安易に想像がつく。
「――かぐや姫」
……さいですか。
最初のコメントを投稿しよう!