災難はいつも唐突に

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「……で、田宮君、次の授業は何だったっけ?」  決意を新たに後ろの席のやつに声をかけた。が、返って来た言葉にまたもや決意を覆された。 「千裕っ! お前、すごいな! あの、かぐや姫にあんな事言われて! 羨ましいな、おい」  …………。  田宮君、君の脳みそはハナマルキか? マルコメか?  どっからどうみても、さっきのやつは変人だろう。じゃなかったら、羨ましいと言ってのける君が変人だ。 「かぐや姫、性格を差し引いてもあの可愛さだろう?」と田宮君。  いや、1番重要なそこを差し引くな。 「だから、かぐや姫に求愛する輩が後を絶たなかったんだ」  ……何故あれに求愛する気になるんだ? 2年も半ばになってなんだが、この高校は、変人揃いなのか? 「だけど、次々と告白してくる輩に、無理難題をふっかけて次々と撃沈させた。そこからついた彼女のあだ名が――」  いいや、田宮君、溜めんでよろしい。その先は、安易に想像がつく。 「――かぐや姫」  ……さいですか。
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