目覚め

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ズ、ズ、ズ、ズーっとゆう音でわずかながら意識があることに気づく。指一本動かすことも、目をあけることすらできないほんの少しの意識。鼻の穴に入れられた管の苦しさだけが感じられる。あとから聞いたのだが肺炎を併発して何時間かおきに痰の吸引をしていたらしい。吸引のたびにわずかながら意識が戻りそしてそれが終わるとすぐさま、また深い眠りに落ちていく。それを何回か繰り返していた。喉がカラカラでしかたなかった。それを察してくれたのか看護師さんが氷を口の中に入れてくれた。氷はすぐに口の中で溶けていった。看護師さんにもう一個いる?と聞かれなんとか首を縦にふることができ二個目の氷をゲットしたが喉の渇きには遠くおよばなかった。目を開け意志疎通できるようになったのは入院してすでに6日がたった頃だった。なんと5日間も昏睡していたのだ。目覚めたとき最初に思ったことは失敗したーの一言だった。あの夜合わせて753錠もの精神安定剤と睡眠導入剤を缶チューハイで胃に流しこんだ。死ぬ気だった。本気での自殺未遂。幸い発見が早くて助かかったのだが、呼吸があさかったため脳に空気が行き渡っておらず植物状態になるかもと両親にはつげられていたらしい。人間の生命力ってすごいなーと感じさせられた。なんの後遺症もなく順調に回復していった。トイレに行こうと思ったがオムツをはめられ尿道カテーテルまで装着されていたので看護師さんに言って外してもらった。大便のほうは漏らしていなかったので大事にはいたらなかった。食事もゼリーからお粥にかわり普通食にまでステップアップしていった。そうやってあっとゆうまに10日が過ぎていった。10日間も風呂に入れないなんて拷問だと思ったが自分でやらかしたことなのだから仕方ない。風呂には入れなかったが途中洗髪をしてもらっていた。今日も午後から洗髪をしてもらえる予定だ。いよいよ明日この病棟ともおさらばだ。退院できるのかと最初は思ったのだがどうも違うらしい。病棟を移るようだ。落ち着くまで2週間くらい精神科病棟に入院することになってしまった。まー人生何事も経験だと思い精神科病棟に入院することを気軽にオーケーしてしまった。この時の決断が後に後悔に変わるとはその時はおもいもよらなかった。いよいよ明日この病棟ともおさらばだ。なんか名残惜しいなー。看護師さんもみんな良い人ばっかりだったし。そう思いながら眠りについた。
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