カンヅメレンアイ

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しばらくして、ヤンキーの仲間がやってきて、こと は大きくならずに済んだ。っていうか、助かった…。 仲間の一人と、おそらく暴れた彼女だろうと思われる女の子がお騒がせヤンキーを退去させたあと、謝罪にやってきた。 でも、アタシはその時のことに関してはかいセンパイより、かおるくんの方が深く印象に残ってるんだ。 だって、あまりにもカッコよすぎたから…。 「すいませんでした、アイツも混乱してて、ケガしてないっすか?」 と仲間が言うと、 かおるくんは、 「大丈夫だよ、けど、君たちいくつ?成人?」 と聞いた。 仲間は ちょっと間をあけ 「はい、二十歳です。」 と答えた。おそらく未成年だろうとアタシは感じた。すると、 「お互い女連れてるんだから楽しもうぜ、もういいから、仲間、ちゃんと面倒みてやんなよ。」 そう、一言いった。 この人、すごい。ただそれだけだった。男のかっこよさを見た気がした。 アタシは呆然と立ち尽くしていた。 カラオケも終盤に差し掛かった頃、りかセンパイの携帯がなった。当時付き合っていた彼からだった。その頃の彼といったら喧嘩っぱやくて、呼び出しをくらったセンパイはひと足早く帰ることになった。 アタシは一人、玄関にのこされた。そしてこの時の出来事のポイントとなったのもかおるくんだったのである。
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